今日は肩の痛みについてお話をしていきたいと思います。
半年以上まえから左肩が上がらない、左前腕部の感覚が鈍い、肌に触れるとピリピリとした痛みが走るという状態の患者さんでした。
患者さんへの問診
早速問診検査をさせていただきました。
今回のケースは多角的方面から原因を診ていかないといけない状態でした。
あまり詳しくはかけませんが、現在抗がん剤、放射線治療を定期的に行っている。
そのほかにもお薬の服用があり。
胸にオペの傷跡が十字にあり。
左脇下に内視鏡のオペ跡あり。
ここ1ヶ月くらいは腕の痛みで朝方起きてしまい、自分で前腕部を揉むと少し痛みが引くがそれから寝る事が出来ない。
脈診、腹診、各種検査をしていくと全身が緊張しており、過敏状態で交感神経亢進状態でありました。
関節自体は元々柔らかいのに各関節の動きは悪くなっており全身筋緊張状態。
肩の症状だけでなく、お体全体が非常に悪い状態です。
痛みだけでなく、内臓も悪い方の特徴
肩の症状だけを見ていれば、肩を施術すれば良いと思いますが
今回の患者さんは非常に多くの問題を抱えている状態です。
特に内臓疾患を抱えていらっしゃる場合だと、お体には様々な問題が発生している事が多いのですが
その特徴をお伝えします。
①脈診にて、脈が弱かったりする
②腹診にて、腹部の異様な盛り上がりがある
③全身の骨格のズレが著名な状態になる
④筋肉が硬いというよりも、筋肉を押しても弾力が無く、沈みっぱなしになる。
以上のような状態の方が多くいらっしゃいます。
このような状態だと肩だけを施術しても中々症状の改善は見込めません。
また、自然治癒力も極めて悪い状態にあるので、自然治癒力を高めて行くように全身の問題に対してアプローチしていく必要性があります。
患者さんへの施術
まずは、全身筋緊張が強いので、全身筋緊張を緩ませられるようにしていく治療を伝えて納得して頂き治療を行っていきました。
初回はとにかく無理することなく少しでも全身をリラックス状態にしていきました。
2回目施術
前回の治療した日の夜はぐっすりと眠れたが朝は起きてしまった。
初回より全身の筋緊張は抜けてきてリラックスできる状態。
肩甲骨内側、禅話部の痛みは少し軽減。
しかし、治療中は自然と力が入り身構えてしまう状態。
力が勝手に入ってしまう状態の時に、私たちが患者さんに力を抜いて下さいね、と声をかけても、勝手に力が入ってしまっているので患者さんはそれ以上力を抜くことが出来ません。
このような状態の方は、普段生活をしている状態でも無意識の内に力が入り続けてしまっている状態になってしまっているのです。
意識的に腕の力こぶをずっと作り続けていれば、その力こぶの所が辛く、痛くなってくるのは理解されることと思います。
この状態が無意識的に起こってしまっているので、筋肉がオーバーヒートして痛みや症状を出現させてしまったり
その状態だと、神経の通りや血流の流れが悪くなり、自然治癒力も上がってこない状況に陥ってしまいます。
3回目〜7回目施術
症状は少しづつ軽減していき、7回目の施術時にようやくリラックス出来るような状態に回復していきました。
8回目来院。
朝起きたら無意識に伸びをして両腕上に伸ばすことができた。
普通に動かしても痛みはない。
という状態になりました。
考察
今回のケースは、オペ後の傷跡による皮膚の癒着
薬による副作用等多角的に原因を追究していきましたが、前腕部痛みにより日常生活肩を極力動かさなかったことで徐々に動きが悪くなっていったと疑われます。
そして、脳がこう動かしたら痛いと思い込んでしまっていたことも疑われます。
様々な要因が絡んでくると症状が一気に爆発するような状態になりやすいです。
やはり、少しでもご自身のお身体に異変を感じたら早めにお体のケアをすることをオススメいたします。