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皆さん、初めて会った方の第一印象ってどう判断していますか?
私たちは、相手の顔をみただけで無意識のうちにその人の性格、心理状態、健康状態などを感じ取っています。他人の印象を顔で判断するということは、鏡で自分の顔をみることで今の健康状態、心理状態などをチェックできるとも言えます。
今日はお顔に出る体の不調を少し細かく説明していきたいと思います。
五臓で鑑別する顔のチェック
肝タイプ
顔症状チェック 自覚症状チェック
① 顔が青黒い。 ① 怒る、泣くなどの感情が高ぶりやすい。
② 顔に青筋が出ている。 ②物忘れをしやすい。
③ 眼精疲労、視力低下。 ③寝つきが悪い。
④ 涙が出やすい。 ④眠りが浅い、よく夢を見る。
⑤ 白目が黄色いあるいは赤い。 ⑤食欲にむらがある。
⑥ 目の周りにシミがある。 ⑥便秘と下痢を繰り返しやすい。
⑦ 鼻の頭が赤い。 ⑦精力の衰えを感じる。
⑧ 鼻血が出やすい。 ⑧筋肉がこわばる、こむら返りがある。
⑨爪が白っぽい、もろい。
解説。
肝は目に開竅する。肝の状態は目に現われてきます。また肝は血を蔵して全身に酸素と栄養を与えています。肝の機能が弱まると穴の供給が少なくなり眼精疲労、視力低下、目の周りにシミが出来るなどの目の症状がでてくる。また肝は胆と表裏の関係であり決断力に関係します。それにより精神状態にも影響を与えます。また肝胆の異常により白目が黄色くなります。血不足により栄養、酸素の供給が不足するため、筋肉がこわばり、爪がもろくなります。目に十分な酸素栄養が行かないと涙が出やすくなり脳に十分に酸素栄養が行かないと物忘れがひどくなります。精力の衰えがある場合は腎と肝の機能が弱まっているときです。精神的ストレスなどで肝が緊張状態になると鼻血が出やすくなったり、目が充血します。神経が過敏状態なので睡眠障害を起こしたり、イライラしたりと情緒が不安定になります。肝の緊張状態が続くと浄化作用が低下し血の汚れで顔が青黒くなったり青筋が見えてきたりします。また肝と脾は相克関係にあるため肝の緊張が続くと日の機能が抑制されて、食欲不振や便秘下痢を繰り返す症状があらわれてきます。
心タイプ
顔症状チェック 自覚症状チェック
①顔全体が赤い、ほてる。 ①動悸、息切れを感じることが多い。
②顔がむくむ。 ②手足がむくむ。
③舌の先端が赤い、または全体的紫色。③寝つきが悪い。
④爪の色が暗い。
⑤物忘れが多い。
⑥少しの運動で汗をかく。
⑦手足がむくむ。
⑧すごく不安になるときがある。
解説。
心は血を循環させて、全身に熱や水分、酸素、栄養をくまなくいきわたらせます。また思惟や意識、精神活動を担っています。心が興奮状態にあると、血が頭部に偏り、顔面部が赤くなります。また舌が赤くなり熱を帯びます。頭に血が上っているので睡眠障害もでてきます。逆に心が弱まると少し動いただけでも動悸、息切れ、汗をかきやすくなる。疲れやすい状態になります。心の機能が悪くなると健忘、不眠などの神経症状を起こし、それがひどくなると脳の障害をきたすことがあります。心と肝は相生関係にあるので、肝の機能が弱くなることで血が汚れ動悸、息切れ、舌が紫色、爪の色が暗いなど症状も現れます。
脾タイプ
顔症状チェック 自覚症状チェック
① 顔が黄色い。 ①食欲がない。
② 肌が弱い、敏感肌。 ②食欲が異常に亢進しやすい。
③ 顔がむくみやすい。 ③胃がいた、ムカムカする。
④ 顔のたるみ、毛穴の開きが気になる。 ④お腹がグルグルする。
⑤ 薄目を開けて寝る時がある。 ⑤下痢をしやすい。
⑥ 吹き出物、湿疹、口内炎ができやすい。 ⑥あざができやすい。
⑦ 口が臭い。 ⑦月経が長引く。
⑧ 口の中が乾きやすい。 ⑧筋肉が弱い。
⑨ 歯茎の腫れ、出血。 ⑨冷え性である。
⑩ 唾液が多い。 ⑩立ちくらみ、貧血ぎみ。
解説。
脾は胃とともに飲食物を消化し吸収を行います。また、血、水分の運搬にもかかってきます。脾の機能が弱ると水分の運搬がうまく行われないためむくみが生じます。また胃腸に過度な水分が停滞することにより下痢をしやすくなります。脾は肌肉をつかさどっていますので弱まると肌が弱くなりしわができやすくなります。また統血作用もありますので、弱まっていくと出血しやすかったり、アザになりやすいなどの症状がおこります。筋肉に十分な栄養を運搬できないので寝ていても薄目をあいているなどの症状も現れてきます。
肺タイプ
顔症状チェック 自覚症状チェック
① 顔が白っぽい、色白。 ①アレルギー性鼻炎、皮膚炎がある。
② 蕁麻疹や湿疹できやすい。 ②喘息がある。
③ 鼻が詰まる、鼻水が良く出る。 ③のどや気管支が弱い。
④ 鼻やほおに吹き出物がでる。 ④よく風邪をひく。
⑤ のどが腫れやすい。 ⑤背中上部に産毛が多い。
⑥ 口で呼吸していることが多い。 ⑥便秘になりやすい。
⑦ 咳や痰が良く出る。 ⑦むくみやすい。
解説。
肺は防衛器官です。外界からの細菌、ウイルスから身を守る働きをしています。また皮膚も肺と同じように外界から体を守る働きをしていることから肺に付属していると考えられます。肺と大腸は表裏関係にあるため肺の機能が弱まると大腸も不調になります。肺は水分のめぐりとも関係があります。息を吸うとき空気の中に水分も混じっていますので水分を体の下方に送らせる働きがあります。肺が弱いと鼻炎、のどの痛みなど呼吸器系の症状がでます。また皮膚も弱くなるため皮膚炎も併発することがあります。皮膚の防御力を高めるために気管、肺の裏側にある背中上部に産毛が生えることもあります。鼻やほおに吹き出物ができやすい人は、大腸の機能が弱って、便秘になり毒素がたまっているか、呼吸器に炎症を起こしていることがあります。
腎タイプ
顔症状チェック 自覚症状チェック
① 髪が細くて弱い、または若白髪。 ①排尿障害がある。
② 抜け毛が目立つ。 ②むくみやすい。
③ 顔が黒ずんでいる。 ③疲れやすい、回復力が低い。
④ 耳の周りに湿疹ができやすい。 ④性的能力が減退している。
⑤ 目の下にクマがある。 ⑤寒がりである。
⑥ 目に力がない。 ⑥足腰がだるい。
⑦ まぶたがむくみやすい。 ⑦手足がほてる。
⑧ 歯が弱い、虫歯が多い。 ⑧骨が弱い、背筋が伸びない。
⑨耳鳴り、難聴になりやすい。
⑩疲れやすい。
解説。
腎は、腎臓だけではなく生殖器や成長もつかさどり生まれてから死ぬまでの一生をコントロールし、生命エネルギーを蓄えます。具体的には、水分代謝、聴覚、呼吸、脳活動、頭髪、ホルモン、生殖、骨、生理機能全般を支配します。腎の衰えは老化現象ともいえます。歯や、骨が弱ったり、白髪や髪が薄くなります。年齢を重ねていけば誰もが経験することですが、40代前後でこのような現象が起こるのは、親から授かった元々の腎のエネルギーが弱いのか、不摂生で腎が弱っていることが考えられます。また、腎が弱ってくると目の周りが黒ずんだり、耳の症状も起こります。生命力が落ちているため、目に力がなく、無気力になります。腎は下焦(下腹部)に属しますので、下腹部に力が入らなくなり足腰がだるくなります。体力が弱まるので、体を温める力が弱くなり、足腰が冷えます。水分代謝もうまくできなくなり排尿障害やむくみやすくなります。逆に水分が枯渇して、体の水分が足りなくなり、口の渇きやすくなります。体温が抑えられなくなり手足のほてり、頭、顔ののぼせ症状がでてきます。
参考文献 猪越恭也著 顔をみれば病気が分かる
当てはまるものが一番多かったのがあなたの内臓のタイプになります。上位2個のタイプを目安にしていただければいいと思います。
その時の生活習慣、気候、精神状態によってもタイプは変わってくることがあります。いろいろな要因が複雑に絡み合って今の皆さんの身体の状態になっています。自分だけで養生するのは難しい方はぜひご相談ください。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。