いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は患者さんからの質問で、『鍼ってなんで効果が出るんですか?』との声があったので
鍼の効果について科学的研究をもとにどうなっているかをお伝えしていきたいと思います。
最近の脳科学において
最近の脳科学の研究でツボに鍼を刺したとき、脳に大きな変化がでることが分かってきました。
その中でも、脳幹に反応を起こすことが分かっています。
脳幹は生命を維持する、まさに人間が生きるための重要な働きを行っているとことです。
自律神経のコントロールをし、各種ホルモンの分泌をコントロールしています。
自律神経系、内分泌系をコントロールすることで菌やウイルスなどの外敵から体を守るための免疫の働きもコントロールしています。
これらの働きは脳幹の中の視床下部で行われます。
自律神経は内臓の働き、体温、血圧、水分調整、性機能をコントロールしています。
手を動かす、立ち上がる、歩くなどは自分の意志によって起こります。
では、呼吸をする、消化するなどはどうでしょうか。
「呼吸しないと」「そろそろ消化しなきゃ」と思って無くてもしっかり行われています。
内分泌系の働きは骨や筋肉、内蔵などの成長や、美容面で重要な働きをする成長ホルモン、性をコントロールする性腺刺激ホルモン、ストレスから体を守る副腎皮質ホルモン、女性の妊娠を成立させる為の卵包刺激ホルモン、黄体形成ホルモンなど10種類ほどのホルモンを分泌しています。
例えばストレス。
動物の場合はストレスによって攻撃したり逃げたりする。
これは視床下部の命令を受けて脳下垂体が副腎皮質ホルモンを分泌して、本能的に攻撃したり、逃げたりしています。
人間の場合は大脳皮質の理性が本能を抑えるので、ストレスを感じたとしてもすぐには攻撃したり、逃げたりはしません。
このことから、身体に鍼の刺激をすることで、自律神経に働きかけ、また各種ホルモンの分泌の調整、免疫系にも何らか影響を与えることによって、各種症状の改善につながっていると推測できるのです。
科学が証明した鍼の5つの効果
科学的研究が世界で行われており、その研究結果から鍼の科学的効果が分かってきています。
1 痛みを抑える働きのある物質を、脳から放出させる。
鍼は、脳から全身に痛みを抑える物質を放出します。
人間の体は、痛み止めとの薬と同じ働きをする物質を作りだすことが出来ます。
この物質は「エンドルフィン」といい、「脳内モルヒネ」ともいわれています。
スポーツ選手が怪我をしてプレイしているときに痛みを忘れているなどは、この脳内モルヒネが分泌しています。
2 自律神経のバランスを保つ。
先ほど、お伝えしましたが、自律神経に働きかけて体調をコントロールします。
自律神経は心臓を正常に動かす、呼吸をする、食べ物を食化吸収する、排泄を促すなどの内臓機能を整える大切な働きを保ちます。
3、 硬くなった筋肉を緩め、血流の流れをスムーズにする
鍼は硬くなった筋肉をほぐし、血流を良くします。
鍼を刺すことにより筋肉の中の血管が広がり、筋肉の中に血液が多く取り込まれます。
すると、血液中の酸素や様々な成分によって痛みや緊張で硬くなっていた筋肉が緩み柔らかくなることによって、さらに血液の流れが良くなる効果が生まれます。
4 体を守る免疫力を高める
鍼には外敵から体を守る力を高める働きがあります。
白血球中の免疫細胞が存在します。
いくつかの種類がありそれぞれに役割が決まっており連携しながら体内に入ってきたウイルスや細菌を撃退します。
しかし、体が疲れたり、ストレスがたまると、免疫力は低下し、病気にかかりやすい状態になってしまいます。
鍼の刺激にはこの免疫力の力を高める働きがあるのです。
5 自己治癒力を高める。
鍼はもともと人間が持っている、病気を治す力を高めます。
上記の1~4の自律神経、内分泌系、血流がスムーズに流れている、免疫力が正常に機能していることにより自己治癒力も正常に機能し元気な心身でいられるのです。
著:山本敏勝 あきらめなければ、痛みも,麻痺も、必ず治る!参照
鍼は様々な症状に対応できますが、以上の5つの効果があり、体を良くしていきます。
鍼は怖いというイメージもあると思いますが、様々なやり方があり、当院では最小限の刺激の鍼治療なので、ほとんどの方が痛くないと仰っていただいております。
長年抱え込んでいる症状にも対応出来ますので、何かお困りの症状や悩みを抱え込んでいる方は、一度ご相談ください。
鍼灸整体サロン温春健心
長野市篠ノ井御幣川805-3
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